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表面分析

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AFM 複合型ナノ・ハードネス・テスターによる原子炉用ステンレス鋼のインデンテーション試験

CSEM Application Bulletin - May 1997

序論

ナノ・ハードネス・テスター NHTは、荷重分解能が10μN以下で変位分解能が1nm以下の精密なナノインデンテーション試験として薄膜の特性評価に既に用いられている。定量的な硬さやヤング率の値は、ある材料が特定の機能を持っているか否かを判断する上で重要であるが、微小荷重でのインデンテーションに対する材料の応答を知ることは、インデンテーションプロセスに関する重要な別の知見を得ることでもある。

本アプリケーションノートは、NHT試験機の光学顕微鏡の標準対物レンズに替えて走査型プローブ顕微鏡(SMP)が組み込まれた新しいオプションを紹介する。この効率的でコンパクトな解決法を図1に示す。SMPオプションはすべての機能が強力なソフトウェアパッケージから制御可能なユーザーフレンドリーなPCインターフェイスを持っている。このSMPはカンチレバーの変位を検出する光干渉方式のビームシステムとXYZ軸でフィードバック制御をおこなうピエゾ素子スキャナーを備えた原子間力顕微鏡(AFM)である。このスキャナーはピエゾの変形に伴う非直線性を低減する利点があり標準スキャン範囲は20μm X20μmである。特注でスキャン範囲の拡大は可能である。

応用例

ひとつの試験機で表面トポグラフィー観察とインデンテーションを複合させる直接的な利点は、精密な電気機械的な位置決めシステムを用いて、試料の特定の場所をインデンテーション試験の前後に光学顕微鏡とAFMで観察できることである。

NHT光学顕微鏡の対物レンズ互換原子間力顕微鏡
図1 NHT光学顕微鏡の対物レンズ互換原子間力顕微鏡(AFM)

本試験機の興味ある応用例は、各相の局所的な機械的特性の測定が必要な多相材料の特性評価である。フェライト相とオーステナイト相の2相からなるステンレス鋼が、300〜400℃での長時間エージングによる特性劣化を評価するために試験された。[1]

多相材料の特性評価
図2
フェライト相
フェライト相へのインデンテーション曲線(最大荷重 = 100mN)
オーステナイト相
オーステナイト相へのインデンテーション曲線と対応する圧痕のAFM像

図2は最大荷重 100mNでの各相へのインデンテーション試験の荷重−押し込み深さ曲線と圧痕のAFM像である。圧痕形状の違いは明瞭である。オーステナイト相では各辺が内側に凹状にへこんでおり、この相が高い加工硬化性と除荷時の圧痕周囲での材料のラジアル方向の回復による弾塑性を有することがわかる。一方フェライト相は各辺が凸状に外側に広がっており材料が周囲に盛り上がっている。これは低い加工硬化性とインデンテーションに対する塑性応答を示している。オーステナイト相とフェライト相の350℃で8000時間のエージング後のビッカース硬さはそれぞれ 280 と 740 であった。

[1] N. X. Randall, C. Julia-Schmutz, J. M. Soro, J. Von Stebut and G. Zacharie, Novel nanoindentation method for characterising multiphase materials, Proc. ICMCTF97, San Diego, (to be published in Thin Solid Films 1997)

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