CSEM Application Bulletin - Autumn 1996
序論
REVETESTは硬質薄膜の評価において信頼性の高い試験機として広く利用されている。用途は無機材料・有機材料、PVD、CVD、溶融塩法、自己潤滑、装飾、磁気などで基板は金属、合金、半導体、ガラス、セラミック等である。 本アプリケーションノートはREVETESTによってスクラッチ試験だけでなく品質管理などの目的で押し込み試験をおこないたいという多くのユーザーの要望にこたえるものである。
原理
スクラッチ試験に通常用いられるのは先端半径200μmのロックウェルCスケールのダイヤモンド圧子である。この圧子を垂直荷重Fnで試料表面に押しつけ試料を一定速度で移動させる。 加えて圧痕直径の測定では荷重除去後の押し込み深さとなり本当の押し込み深さと異なる。もし荷重除去後に大きな弾性回復があるならばみかけの押し込み深さと本当の押し込み深さに大きな差違が生ずる。 ロックウェル硬さ試験法は、使用する荷重範囲と圧子形状によって標準・スーパーフィシャル・軽荷重・マイクロ・マクロに分類される。REVETESTの荷重範囲ではASTM試験分類E18の15kgf荷重のスーパーフィシャルが適合する。
試験方法
試料を圧子の下にセットしREVETEST(顕微鏡組み込み型)の手動テーブル送り スイッチを真ん中位置にすることによりテーブル駆動モーター回路を停止する。荷重範囲を200Nにして上限荷重を150N(すなわち15kgf)にセットする。漸増(progressive)荷重モードにより押し込み試験がおこなわれる。
既知の先端半径 r のロックウェル圧子により圧痕の直径 d を測定し押し込み深さ x が計算される。図1に各パラメータを模式的に示す。
r = x + y ...........................................(1)
ピタゴラスの定理から( d / 2 ) 2 + y 2 = r 2 ..............(2)

図1 球面圧子による押し込み試験の模式図と各パラメータ
高さ y は式(2)から求められ、式(1)に代入して押し込み深さ x が得られる。ロックウェルCスケールの圧子では、スーパーフィシャルロックウェル硬さ HC は次式で与えられる。
HC = 100 - x/2
例えばロックウェル押し込み試験が既知の硬さのビッカース硬さ基準片におこなわれロックウェル硬さがASTM換算表で確認された。図2に示す圧痕は HV 777kgf/mm 2 のビッカース硬さ基準片にREVETESTを用いておこなったものでロックウェル硬さ 91.5が得られた。これは換算表による値と同等のものである。

図2 REVETESTによるSUS440Cビッカース硬さ基準片上のロックウェルCスケール圧痕(圧痕直径150μm)
結論
REVETESTはスクラッチ試験に加え正確な硬さ試験をおこなえることが示された。すなわちより汎用的な試験機としてバルクや厚膜の評価にも用いられると考えられる。今後さらにビッカース等の他の形状の圧子を用いた試験法の検討をおこなう予定である。














