NANOTEC GROUP
平和電源株式会社
株式会社トッケン
NSC株式会社

DLC コーティング・薄膜 評価試験のナノテック

go to English versionanotec English

表面分析 /受託試験

社内の実験装置・評価試験機器を用いてお客様と共に実用を 前提とした研究・試験。



新しいナノハードネステスター NHT による MoS2 薄膜の評価

CSEM Application Bulletin - Autumn 1996

測定技術

NHTは既知の形状の圧子によるナノインデンテーション技術を用いてサブミクロンオーダーの薄膜の硬さと弾性率を定量的に測定する試験機である。(図1)特徴としてインデンテーション前後の圧痕の光学顕微鏡観察(あるいはAFMによる観察)が試料を取り外さずにおこなえることがあげられる。

圧子に負荷される荷重は電磁アクチュエータにより制御され、変位は静電容量センサーによって測定され、荷重分解能は10μN、変位分解能は1nm以下の高精度測定がおこなえる。

ナノハードネステスター

図1 ナノハードネステスター NHT

測定試料

本測定にはPVD マグネトロンスパッタリングによるMoS2/Pb多層膜が用いられた。多層膜の各層の厚さは 20nmであり全体の膜厚は 500nmである。

測定結果

ビッカース圧子を用いたビッカース硬さは 11.2GPa ヤング率Eは 332GPa で押し込み深さは約50nmである。より深い176nmの押し込み深さの典型的な荷重-押し込み深さ曲線を図2に示す。さらに詳細な解析は高精度な位置決めテーブルによりAFM(原子間力顕微鏡)で圧痕を観察することにより可能である。

荷重-押し込み深さ曲線

図2 荷重-押し込み深さ曲線( MoS2/Pb 多層膜)

光学顕微鏡と対物レンズ互換型AFMの利用により圧痕の観察が容易になり高倍率高分解能でインデンテーション効果や材料挙動に関する情報が得られるようになる。

10mN荷重のインデンテーションによる圧痕の代表的なAFM像を図3に示す。これは図2の曲線に対応するものである。20nm厚の各層を区別することは困難であるが、押し込みに伴う圧痕周囲の表面粗さとパイルアップ(盛り上がり)が定量的に測定できる。

結論

NHTは他のナノインデンターと比較していくつかの優れた特徴がある。なかでもサファイア基準リングによる試料表面の検出方法により、圧子先端の位置は常に基準リングに対して相対的に検出されるため試料や圧子ホルダーの弾性変形による測定誤差や熱的なドリフトが補償されより精密な測定が可能となった。

また光学顕微鏡やAFMとの複合による自動測定により理想的な薄膜硬さ試験がおこなえるようになり研究開発、品質管理への利用の拡大が期待される。

インデンテーション圧痕

図3 MoS2/Pb多層膜への10mN荷重のインデンテーション圧痕のAFM像

テクニカルレポートに戻る



  Copyright © 2007 NANOTEC CORPORATION All rights reserved.
nanotec