CSEM Application Bulletin -Winter 1996
序論
今日の半導体産業においては市場投入までの時間がコストを決定する。従って適切な品質管理が開発段階において重要であり、これによって設計やプロセス技術者が新しいデバイスの機能を最終試験段階にはいる前に評価することができる。
ICボンディングパッドはふたつの重要な機能を提供する。ひとつはデバイスの連続性と基本機能を試験するためのテストプローブとの接触を提供すること、ふたつめは接続ワイヤーを熱超音波ボンディングするプラットフォームを提供することである。後者は20μm以下の金線によりチップと外部リードとの電気的接続を確率するために使われる。
ボンディングパッドが適切であるか否かの確認にはビッカース硬度の定量的な測定が必要である。パッドはSiO2基板上に約1μmのアルミニウム薄膜をスパッタリングで成膜して形成される。アルミ膜の硬さが十分でないとプローブテスト中に深いスクラブマークがついてパッドと金線の接続が不良となる。さらにパッドの硬さが低いとプローブチップが接触した時アルミくず(debris)が発生して重大な汚染となる。
実験方法
本比較実験では製造者の異なる4枚のウェハーを準備しナノハードネステスターNHTによりビッカース硬さの測定をおこなった。アルミ膜の厚さは約1μmであるので基板の影響を排除するためすべての測定は最大押し込み深さが100nmとなるよう設定した。
図1は8カ所のナノインデンテーションをおこなったボンディングパッドの写真である。スクラブマークも観察される。NHTの精密な位置決めステージにより特定の結晶粒にインデンテーションをおこなうことができる。(図3)これにより結晶粒界の影響による硬さのばらつきを防ぐことができる。

図1 スクラブマーク(右)と一連のナノインデンテーション(左)のあるボンディングパッドのSEM写真
実験結果
図2に各ボンディングパッドのビッカース硬さ測定結果を示す。各値は平均値である。Aタイプはもっとも高い硬さであり”良好な”パッド、BタイプおよびCタイプは硬さが低く”不良な”パッドとみなすことができる。Dタイプは中間の値を示している。

図2 4つの異なる製造者によるボンディングパッドのビッカース硬さ

図3 スパッタアルミ膜の結晶粒のSEM写真とNHTによる特定の粒子への局所的なインデンテーション
結論
NHTは短い測定時間と自動化が重要な工業的な品質管理用途において理想的な強力な分析ツールである。ICボンディングパッドでは異なるパッド硬さを容易に選別し開発の段階で製造者を選択することができる。
特定の場所の局所的な測定が可能であることは、本試験を多くの他のICや半導体関連の問題解決の魅力的な手段とする。しかし勿論もっと小規模な材料・プロセス開発環境においても大変有効である。














