DLCコーティング装置・表面処理・薄膜分析のナノテック株式会社

分光エリプソメトリー測定

分光エリプソメトリー測定ではサンプルへ光を照射することで入射光と反射光の偏光の変化量を測定し、その結果から膜厚d、光学定数(屈折率n、消衰係数k)の波長依存性を求めることが可能です。
目的の情報を得るには測定結果のデータ解析が必要であり、その解析には薄膜材料の光学モデルが必要となります。薄膜材料が未知の場合は、誘電関数により光学定数の波長分散を定義します。光学定数はDLC膜の構造に密接に関係しているため、硬度やその他の特性と相関を有することが示されています。単層のDLC膜であれば屈折率と消衰係数からDLC膜の分類も可能です。

        

使用機器 及び 測定仕様

分光エリプソメトリー

機器名 Auto SE
測定方式 液晶変調方式
光源 ハロゲンランプ及び青色LED (波長範囲:440~1,000nm)
入射角 70度固定
スポットサイズ 500μm×500μm~25μm×60μmの7種類
サンプルステージ X軸:Max200mm Y軸:Max200mm Z軸:Max40mm

測定イメージ

分光エリプソメトリー測定 測定イメージ
右図にa-C:H膜の屈折率と消衰係数の波長分散の例を示します。
波長レンジ450nm~950nm入射角度70°の測定条件で測定して得られたデータを、DLC膜の下図光学モデルを使って解析します。




解析結果の550nmの値より、左図のISO23216 光学特性評価方法の規格を用いてDLC分類を行うことが可能です。(図上の橙のポイント)

注意事項

・カーボン膜又はDLC膜のみ測定の対応をしております。
・成膜していない基板のみの試料もご準備下さい。
・中間層がある場合は基板+中間層の試料もご準備下さい。
・多層膜の場合は、別途ご相談ください。

関連規格

ISO23216

関連文献

DLCの光学特性と硬さの相関について、 「Journal of Solid Mechanics and Materials Engineering Vol. 7, No. 2, 2013」に論文が掲載されました。

タイトル:「Correlation between Optical Properties and Hardness of Diamond-Like Carbon Films」

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jmmp/7/2/7_187/_pdf

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