摩擦摩耗試験機では、ボールオンディスク法と呼ばれる回転運動をしているディスク状のサンプルの表面でボールを用いて摩擦・摩耗させる方法で、摩擦係数及び摩耗量の測定やEDX分析により付着物の評価が可能です。弊社では常温摩擦摩耗試験機と高温摩擦摩耗試験機を保有しており、高温環境や液中環境等での測定も対応しております。
JISR1613及びISO18535の測定に対応できるようにトレーサブルな体系を確立しています。
使用試験機 及び 測定仕様
試験機名 | Tribometer |
測定方式 | ボールオンディスク法 (関連規格:JISR1613 ISO18535) |
垂直負荷 | 0.5~20N |
しゅう動タイプ | 回転動/往復動 |
しゅう動径・距離 | 回転動 最大半径25mm(推奨3~10mm) 往復動 最大60mm(推奨5~10mm) |
回転速度 | 4~500rpm |
ボールサイズ | Φ5.5~6.5mm、Φ9.5~10.5mm |
ディスクサイズ | Φ5~55mm t5~15mm(角型の試料でも対応可) |
環境制御 | 環境チャンバー(温湿度)による環境制御(ISO18535) 液中治具による液中環境制御(試料サイズに制約有) |
試験機名 | High Temperature Tribometer |
測定方式 | ボールオンディスク法 (関連規格:JISR1613 ISO18535) |
垂直負荷 | 0.5~20N |
しゅう動タイプ | 回転動 |
しゅう動径・距離 | 最大半径20mm(推奨3~5mm) |
回転速度 | 4~500rpm |
ボールサイズ | Φ5.5~6.5mm |
サンプルサイズ | 丸形︓ Φ19~20mm t4~5mm、Φ29~30mm t4~5mm 四角型︓ 20×20mm t4~5mm |
サンプル下面温度 | 最高850度(測定面温度と異なる) |
環境制御 | 不活性ガス等の吹付可能。但し試験環境には酸素・窒素を多く含む。 |
測定イメージ
おもりによって荷重が印加されたボールとディスクの間に発生する摩擦力により、摩擦力測定アームが変形します。摩擦力測定アームの変位量を変位センサーで計測し、摩擦係数として出力します。
摩擦摩耗試験後はディスクの摩耗痕断面積測定による耐摩耗性の評価や、EDX分析により付着物の評価を行うことができます。
往復動 |
回転動 |
注意事項
・可能な限り予備の試料のご準備をお願い致します。
・弊社では、試料の質量計測による摩耗量の算出は対応しておりません。
・薄い基材の場合はうねり等が測定結果に影響がある場合があります。
・試料は、上面下面が平行で平面であることが必要です。
・摩擦力の測定上限値が10Nです。10Nのおもり使用時に摩擦係数は1以上の測定はできません。
・高温摩擦摩耗試験は試験環境は大気中です。
・表面が粗く摩耗量が小さい場合に、摩耗量測定が困難な場合があります。
・摩耗量測定は、レーザー顕微鏡による非接触式計測となります。
関連規格
ISO 18535:2016 “Diamond-like carbon films — Determination of friction and wear characteristics of Diamond-like carbon films by ball-on-disc method”